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「サイコロジカル・リカバリー・スキル実施の手引き」(Skills for Psychological Recovery Field Operations Guide;SPR)は、「サイコロジカル・ファーストエイド」(PFA)を提供したあとの復興回復期、もしくはより集中的な介入が必要とされる場合に用いることのできる、心理的支援法です。災害後に起こりやすい困難や問題に対処するための「スキル」(訓練によって身につけることのできる技能)を教えることで、被災者の自己効力感を高め、回復を促進することを目的としています。アメリカ国立PTSDセンターとアメリカ国立子どもトラウマティックストレス・ネットワークが開発し、兵庫県こころのケアセンターが翻訳して日本語版を作成しました。
「サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き」は被災者に関わるすべての人に学んでいただけるテキストですが、このSPRの役割は、それとは異なっています。SPRの提供者の役割は、回復に役立つ「スキル」を教える教師やコーチに近いものと位置づけられており、メンタルヘルスの専門家や対人援助職にある人に学んでいただくことを想定しています。
SPRは、生存に関わるような緊急のニーズが満たされ、安全や安心感、あるいは行政機能などが回復した頃に提供されるものです。正式な治療ではなく、あくまで中間的な介入と位置づけられています。SPRによる介入を行うことによって、治療の必要性を下げることが期待できます。あるいは、正式な治療やカウンセリングを補助するための資料として、役立てていただくことができます。
回復を支援するための「道具」は、使い方を誤れば、回復を押しつけたり強制したりするものにもなりかねません。回復の過程は一人ひとり違うものであり、また、そうであることに意味があります。その人なりのプロセスに寄り添いながら、内なる回復力を引きだして支えるという姿勢がベースになければ、「害を与える行為」になりかねません。回復に向けて歩き出したいけどどうすればいいかわからない――そのような被災者がいらっしゃったら、選択肢のひとつとして提供していただければと思います。あるいは、そうした情報を必要としておられる被災者の方がご自身で学んでいただくための資料として、お使いください。
この新しい「道具」が、被災者の回復を支える支援者の手に届き、ひとりでも多くの被災者、被害者のみなさまの役に立つことを願っています。
2011年7月1日
兵庫県こころのケアセンター 研究部第一部門
謝辞
はじめに
SPRを提供するにあたって
SPRの内容
1.情報を集め、支援の優先順位を決める
2.問題解決のスキルを高める
3.ポジティブな活動をする
4.心身の反応に対処する
5.役に立つ考え方をする
6.周囲の人とよい関係をつくる
継続面接
付録
A.ワークシートとハンドアウト 「情報を集め、支援の優先順位を決める」
B.ワークシート 「問題解決のスキルを高める」
C.ワークシートとハンドアウト 「ポジティブな活動をする」
D.ワークシートとハンドアウト 「心身の反応に対処する」
E.ワークシートとハンドアウト 「役に立つ考え方をする」
F.ワークシートとハンドアウト 「周囲の人とよい関係をつくる」
G.ワークシート 「継続面接」
