研究機能
トラウマ・PTSDなど、こころのケアに関する実践的研究を行っています。
研究部門
第1部門 | 災害、事故等、同時に一つの出来事に遭遇した集団を対象に、トラウマ・PTSDが与える影響及びその対応策について研究しています。 |
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第2部門 | 災害、事故、犯罪被害等、単発的な出来事に遭遇した個人を対象に、トラウマ・PTSDの治療法や対処法について研究しています。 |
第3部門 | 児童虐待、DV等、反復性のある出来事に遭遇した個人を対象に、トラウマ・PTSDの治療法や対処法について研究しています。 |
第4部門 | 様々なストレスによって生ずる精神疾患の予防等について研究しています。 |
研究スタッフ
精神科医や公認心理師等の研究員が、こころのケアに関する実践的研究を行っています。
センター長 Director |
加藤 寛(医師) Hiroshi KATO, M.D. Ph.D. |
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研究部長 Department Director |
亀岡 智美(医師) Satomi KAMEOKA, M.D. |
第1部門 Division 1 |
須賀 楓介(主任研究員)(医師) Yousuke SUGA, M.D.Ph.D. |
第2部門 Division 2 |
酒井 佐枝子(研究主幹) 中塚 志麻(主任研究員:非常勤) |
第3部門 Division 3 |
桃田 茉子(主任研究員:非常勤) 西川 昭子(主任研究員:非常勤) |
第4部門 Division 4 |
大澤 智子(上席研究主幹) Tomoko OSAWA, LP, CCP, Ph.D. |
研究テーマ
年度完結の「短期研究」と、3年程度の研究期間を設定し長期的な視点に立って行う「長期研究」の2本立てで調査研究を進めています。
短期研究 令和3年度
研究テーマ | 概要 |
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感染症がもたらすスティグマと心理的支援に関する研究 | 新型コロナウィルス感染症(以下COVID-19)等新規の感染症が蔓延すると、人々の間では、健康被害だけでなく深刻な心理社会的影響が生じる。特に感染者とその関係者に対する差別・偏見の問題は、重要かつ喫緊の課題である。このような差別や偏見は、スティグマを生じさせ、そのスティグマがさらなる差別や偏見を生み出していく。本研究では、感染症のもたらす心理的影響とその対策について、スティグマに焦点をあて、国内外のCOVID-19に関するガイドラインや精神医学、心理学、感染症学などの文献資料を分析・検討し、こころのケアに関するガイドライン作成の基礎的資料を集積することを目的とする。 |
福祉犯被害青少年の心理と支援のあり方についての研究 | 児童買春や児童ポルノなどに巻き込まれ、福祉犯罪の被害を受ける青少年は少なくない。特に、SNSを介した犯罪は被害が潜在しやすい。本研究では、福祉犯に対応する警察職員の理解の向上と被害予防や啓発活動に寄与することを目的に、福祉犯被害青少年の背景要因や病態などに関連する文献考察を行い、被害青少年の置かれた傾向を明らかにする。その上で、被害青少年が発見された際の対応の仕方や支援の方向性、予防啓発活動に必要な要素などを検討する。 |
PTSD症状を呈する対象者の生活行動と全般的健康状態に関する研究 | PTSDに併存する睡眠障害や実行機能障害は、それ自体が生活機能に影響を及ぼすが、それらの調査は多く実施されてこなかった。そこでR2年度に調査した結果、一見社会適応は悪くない患者であっても各機能に問題が生じ、日常生活を障害していることがわかった。本研究では、さらに調査項目を追加し、PTSD症状を呈する対象者の生活行動および全般的健康状態に関してより詳細に理解するための調査を実施し、基礎資料作成を試みる。 |
PTSD治療における統合医療(補完代替療法)の可能性についての検討 |
PTSDの治療は、主に薬物療法、認知行動療法、EMDR等だが、漢方、鍼、ヒーリングタッチ、レイキ等の補完代替療法もある。しかし、これらの補完代替療法は、どのような対象に何をどのような方法で実践し、どのような評価方法でどういう結果が得られたのか、不明な点が多い。そこで本研究では、PTSDの補完代替療法として挙げられているものの内、主な療法について文献レビューを行い、知見を整理し、各々の共通点や相違点等を検討し、治療選択の資料とする。 |
長期研究 令和元年度~令和3年度
研究テーマ | 概要 |
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大規模災害の被災者を対象とした包括的心理社会状況評価ツールの開発に関する研究 | 前年度はPTSDの診断面接であるCAPS-5の標準化作業として、バックトランスレーションを完了させ、数例に対して予備的フィールドトライアルを行った。今年度は研究協力施設を追加した上で標準化作業を進めることを目的とする。このことにより、CAPS-5を用いたPTSDの診断面接の妥当性が確保されることとなり、大規模災害をはじめとしたトラウマの評価がより的確になされることが期待される。 |
トラウマインフォームドケアの普及に関する研究 ※1 |
子どもが生活する環境へのトラウマインフォームドケア(TIC)普及に求められる視点の提言を目指す本研究(3年)は、初年度に欧米諸国における支援者対象のTIC研修の効果検証に関する文献レビューを行い、研修システムの概観と課題の同定を行った。今年度は、本邦におけるTIC導入に求められる視点を明確にするために、子どもへの支援を行う支援者を対象に調査等を行い、研修システム構築に向けた基礎資料とする。 |
災害救援組織に対する外部支援のあり方に関する研究 | 地域の専門組織や支援者が災害救援組織と平時や有事を問わず連携を取れるようになるためのシステム作りを目指す本研究(3年)は、初年度、過去に提供された支援活動を文献レビューし現状の概観と課題の同定を行った。2年目には、現場の災害救援者が外部支援組織および支援者に望む支援のあり方を明確にするためにアンケート調査を行った。最終年にあたり本年は災害救援組織や災害救援者に支援を提供したことがない専門職らが参照できる資料や研修に利用できる教材の作成を試みる。 |
※1は令和2年度~令和4年度