センターの紹介

 兵庫県では、平成7年の阪神・淡路大震災を契機として、被災者や被害者のトラウマ(心的外傷)や、その結果として生ずるPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの「こころのケア」に取り組んできました。

 兵庫県こころのケアセンターは、平成16年4月に「こころのケア」に関する調査研究、人材育成・研修、相談・診療、情報の収集発信・普及啓発、連携・交流など、多様な機能を有する全国初の拠点施設として開設されました。

センター長 加藤 寛

 兵庫県こころのケアセンターでは、平成16年4月の開設以来、「こころのケア」に関する多様な機能を持つ全国初の拠点施設として、調査研究をはじめ、人材養成・研修、相談・診療、情報発信・普及啓発などを行ってまいりました。

 開設後、新潟県中越地震、平成16年台風23号、JR福知山線脱線事故、平成19年台風9号、東日本大震災、熊本地震、平成30年西日本豪雨災害などの自然災害および人為災害においてスタッフの派遣や被災地内の支援者へのコンサルテーションなどの活動を行って参りました。また、スマトラ島沖地震津波、中国四川大地震、ミャンマー・サイクロンナルギスなどの海外の大災害では各国の専門家に対して日本の経験を伝え、支援体制の整備などへの助言を行ってきました。そして、相談室・診療所では、災害や事故だけでなく、犯罪、暴力、虐待などの被害によって傷つき声を上げることのできない方や、大切な方を亡くし悲嘆に苦しみ続ける方などに対して、カウンセリングや有効な治療の提供を行っています。

 その他、研究者や「こころのケア」に関わる専門家、災害救援者などを対象とした多彩な研修を提供しているほか、保健・医療・福祉・教育等の様々な分野で活動する兵庫県独自の音楽療法士の養成なども行っています。また、平成26年12月に発足した「ひょうごDPAT(災害派遣精神医療チーム)」では、統括として実務者の育成や近畿各府県DPAT等との協力体制の充実を図っています。

 この度、ご利用いただく皆様により見やすく、分かりやすく情報を発信することができるようホームページのリニューアルを行いました。ますます高まる「こころのケア」への社会的ニーズに対応していくため、今後も職員一丸となって取組を進めてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

令和3年3月

プロフィール

加藤 寛(Hiroshi KATO)
精神科医 医学博士

宮崎県生まれ。神戸大学医学部卒業。都立墨東病院で精神科救急の実践を行った後、平成7年から阪神・淡路大震災の被災者支援機関「こころのケアセンター」に所属した。平成16年からトラウマ・PTSDの専門機関「兵庫県こころのケアセンター」に所属。平成24年4月より現職。

著書

『消防士を救え!――災害救援者のための惨事ストレス対策講座』(東京法令出版)
共著に『災害とトラウマ』(みすず書房)、『阪神・淡路大震災から東北へ』(講談社)など。

平成16年4月 財団法人21世紀ヒューマンケア研究機構に兵庫県こころのケアセンター開設
センター長 中井 久夫 就任
平成16年6月 附属診療所オープン
平成17年4月 土曜開館開始
平成18年4月 財団法人21世紀ヒューマンケア研究機構は、財団法人阪神・淡路大震災記念協会に統合され、財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構となる
平成19年4月 センター長 山口 直彦 就任
平成20年4月 音楽療法士養成講座等ヒューマンケアカレッジ事業を学術交流本部から移管
平成22年4月 公益財団法人に移行
平成24年4月 センター長 加藤 寛 就任
平成26年12月

阪神・淡路大震災20年とセンター開設10年を記念して、こころのケア国際シンポジウム(災害とこころのケア)を開催

ひょうごDPATが発足し、センター長が統括コーディネーターに就任

令和元年11月 阪神・淡路大震災25年とセンター開設15年を記念して、こころのケア国際シンポジウム(災害とレジリエンス)を開催