子どものトラウマへの心理教育

 トラウマの心理教育とは、子ども本人や保護者、子どもを支援する人達に、トラウマ体験とはどのようなできごとなのか、トラウマによる反応や症状にはどのようなものがあるのかをわかりやすく説明することです。子どもは、さまざまな反応や症状が、トラウマ体験によって生じる自然で当然の反応であることを知ることによって、安心感を高め、回復への第一歩を踏み出すことができるようになります。

 傷ついた子どものこころに適切な情報を届けるためのツールとして、絵本は最適なものです。子どもによっては、つらくて怖い体験に触れることが難しい場合があります。絵本の中の登場人物(動物)が自分と同じトラウマ反応を示しているのを見て、子どもの孤立感は和らぎます。回復していく登場人物(動物)にわが身を重ね、子どもは治療への意欲を高めることができるのです。この絵本シリーズは、一般の子どもたちの健康教育のための教材としてもご利用いただけます。

子どものトラウマ治療のための絵本シリーズ(誠信書房)

 

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キツネくんのひみつ

カロリーヌ・リンク作、ザビーネ・ビュヒナー絵(亀岡智美監訳、宮崎直美訳) 

性被害を受けたうえに、秘密を抱えて苦しむキツネくんが、周りの大人の適切なかかわりによって、秘密を打ち明け、元気を取り戻すお話しです。性被害を受けて誰にも打ち明けられずに苦しんでいる男の子の救いとなる一冊です。もちろん、女の子にとっても有益な絵本です。
 


 
えがおをわすれたジェーン

えがおをわすれたジェーン

ジュリー・カプロー、ドンナ・ピンカス作、ベス・シュピーゲル絵(亀岡智美訳) 大好きなパパを亡くし笑顔を忘れてしまったジェーンが、笑顔を取り戻すまでのお話です。
同じような体験をした子どもにどのように対応したらよいかがわかります。


こわい目にあったアライグマくん

こわい目にあったアライグマくん

マーガレット・ホームズ作、キャリー・ピロー絵(飛鳥井望、亀岡智美監訳、一杉由美訳)
こわい目にあったアライグマくんが、症状に苦しみながらも、治療を受けて立ち直るお話です。一緒に絵本を読みながら、「私とおなじだ!」「ぼくもそうだ!」という子どもの声をたくさん聞きました。


ねぇ、話してみて!

ねぇ、話してみて!

ジェシー作・絵(飛鳥井望、亀岡智美監訳、一杉由美訳)
性的虐待を受けた少女が、自分の体験と気持ちを絵本にしたものです。素朴な絵とお話が不思議と子どものこころに響きます。


さよなら、ねずみちゃん

さよなら、ねずみちゃん

ロビー・ハリス作、ジャン・オーメロッド絵(飛鳥井望、亀岡智美監訳、遠藤智子訳)
少年がペットのねずみちゃんの死を受け入れる過程が描かれています。喪失に伴う子どもの悲しみに、周囲の大人がどのように寄り添えばよいのかが心温かく描かれています。


こころとからだのケア~こころが傷ついたときのために~第2版
[PDFファイル:11.9MB]

平成22年度厚生労働科学研究費補助金により作成
第2版国立成育医療研究センターこころの診療部 発行
子ども本人と保護者の方々へ


こころとからだのケア保護者の方々へ
[PDFファイル:22.6MB]

兵庫県こころのケアセンター監修 宮城県発行


こころとからだのケア教職者用
[PDFファイル:21.8MB]

兵庫県こころのケアセンター監修 宮城県発行

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